脳の働きとの関係
強い不安や緊張を感じた時などに、必要以上に呼吸を行う状態を過呼吸と言います。
過呼吸を起こすと、気分が悪くなったり動悸やめまいが生じたりすることがあります。
過呼吸によって体の中に酸素が過剰に取り入れられることで、血液中の酸素と二酸化炭素のバランスが崩れ、その状態を身体が異常と判断します。
症状は非常に苦しいものですが、基本的には30分~1時間もすれば落ち着きます。
意識的に呼吸を抑えることができれば、数分で治まることもあります。
まずは、「恐くない」ことを意識し、落ち着いて対処することを覚えれば、症状を起こす回数も減っていくでしょう。
過呼吸を初めて体験した時、これで人生が終わるのかというくらいの苦しみと恐怖を感じる人は多いと言います。
それゆえに、またなるのではないかという、恐れを呼び起こす考えから離れられなくなってしまう人も少なくないようです。
しかし、過呼吸のようにこれは安全だとわかっているのに危険だと感じてしまうことは、実はそれほど変なことではないのです。
脳の働きについて簡単に説明します。
新皮質とは脳の表面のことで=これは安全だと考えている
旧皮質とは脳の深いところ(大脳辺縁系や扁桃核のあるところ)=「危険だ」と感じている
このように、頭の表層と深いところの間で、違うメッセージが発生することで、混乱が加速度的に進み、恐慌状態になると考えられています。
自分が作り出した状態だから安全であるが、身体的には不快感があるという体験になります。
ストレスによる影響
ストレスは大きくふたつに分類すると、
- 心のストレス
持続的な不安・恐怖・不満・怒り・焦り・緊張・プレッシャー・不眠
- 身体のストレス
過労・運動不足・激しい運動
また、特定の場所や人物、音、匂いなどその人がストレスを感じやすい環境で生じることもあります。
過呼吸の原因にはストレスと自律神経の乱れがあります。
自律神経は血圧や血液の状態を無意識の状態にコントロールしていますが、それが乱れることで血中に異常が起きるのですね。
自律神経は様々な要因によって乱れますが、中でも注意すべきは毎日のストレスです。
特に仕事のプレッシャーが過度に強いと、眠る直前まで仕事に重圧を感じるような状態が続き、それがどんどん自律神経を乱していきます。
そのため過呼吸を回避するためには、ストレスを回避して、自律神経への負担を少なくする環境を作ることが大切なのです。
過呼吸を回避するためには、過呼吸がどのようにして起こるのかを知り、また日常生活の中で過呼吸の根本的な原因を回避していく必要があるのです。
特にメカニズムを知ることで、症状が起きた場合に冷静に対処することができるようになります。
このように、過呼吸の症状には心の問題が深く関係しています。
過呼吸を体験すると再び発作が起きるのではないかといった「予期不安」がつのり、症状を誘発させてしまうこともあるのです。
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