過呼吸とは、浅くて速い呼吸を必要以上に繰り返し、息苦しくなる状態です。
極度の緊張や不安、恐怖など心因性の要因のほか、ストレスや疲労といった身体的要因が原因となることがあります。
過呼吸が起こると息が苦しくなるだけではなく、手足の痺れやめまいなど、体の症状があらわれることがあります。
そもそも、呼吸をコントロールしている神経は、大脳の下側にある「延髄」という部分にあります。
人間は息を吸うことと吐くことをバランスよく行うことで、血液中に酸素を取り込み、不要になった二酸化炭素を排出しています。
しかし、過呼吸によって血液中の酸素濃度が高くなると呼吸中枢が「呼吸のしすぎ」と感じ、呼吸の回数を減らすように指令を出します。
すると大脳皮質は呼吸ができない状態を異常ととらえて、呼吸をさせようとします。
この2つの指令が行き違うことで、息をどんなに吸っても苦しいという悪循環になり症状が悪化します。
また、人間の体液は中性に近い弱アルカリ性に保たれていますが、血液中の酸素が増えるとアルカリ性に傾きます。
血液がアルカリ性に傾くと血管が収縮して、血液が体のあちこちに届きづらくなります。
すると、脳の血流が減ってぼーっとしたり、手足にも血液が行き届かずに痺れや筋肉のけいれんが起きたりするようになるのです。
呼吸をしているのに空気が吸い込めていないように感じて、「このまま死んでしまうのではないか」と恐怖を感じてしまうことが多いです。
発作自体は、一時的で約30分~1時間で治まります。
過呼吸が落ち着けば、血中の二酸化炭素濃度も正常に戻り、発作はおさまります。
直接的に命に関わることはないので、落ち着いて慌てないことが大事です。
しびれがあるときの対処
過呼吸がひどくなることによって、しびれが起きることも多いです。
そんなときは、一体どうすればいいのでしょうか?
ちなみに、過呼吸の対処法として、有名な「ペーパーバッグ法」というものは、ほとんど効果が無いと言われています。
逆に窒息してしまうこともあるそうなので、注意が必要になります。
過呼吸は、意識して深呼吸をすることができれば2、3分でおさまります。
ですが、過呼吸になってしまっている本人が自分で意識して落ち着くというのはなかなか難しいものなのです。
そこで必要になってくるのが、介助者やそばにいる人のサポートです。
過呼吸の発作が起きた人がそばにいるとき、注意してほしいのが周囲の人が慌ててしまうことです。
すると本人は余計にあせってしまい、症状が良くなるのを遅らせてしまうので、まずは本人に落ち着くよう促しましょう。
そして、少し精神的に落ち着いてきたようであれば、胸や背中を軽く押しながらゆっくり呼吸ができるよう声かけをします。
このとき、1呼吸に10秒くらいの時間をかけるようにするのがいいでしょう。
何度か繰り返していれば、過呼吸もそれに伴う症状もしだいによくなります。
近くに過呼吸の人がいると、見ている方もパニックになってしまいかねません。
しかし、落ち着いて対処することが本人のためになりますし、周囲の負担を減らすことにもつながる一番の対処法なのです。
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