パニック障害と薬物療法

脳内の物質の働き

パニック障害は、不安や恐怖感をコントロールする脳の一部が過剰に活動することによって起こりやすくなります。

 

  • セロトニン

脳内の神経伝達物質ですが、脳では約「3%」程度しかつくられません。

セロトニンの約90%近くは、小腸からつくられます。

 

そして、他の神経伝達物質の情報をコントロールします。

●「ドーパミン」→喜び、快楽など

●「ノルアドレナリン」→恐怖、驚きなど

 

セロトニンは、精神状態を安定させる働きがあり、質の良い安らかな睡眠にも影響します。

脳内でのセロトニンが不足すると心のバランスが崩れやすくなり、冷静さを失いキレやすくなります。

その結果、焦りや不安や恐怖感に襲われ、思考や判断力が著しく低下するので注意しましょう。

 

  • GABA(ギャバ)

人の興奮を抑える。

アミノ酸の一種で、主に体内で作り出されます。

脳や脊髄で気持ちを落ち着かせたり、ストレスを緩和する作用があります。

 

これらを補って脳内の物質のバランスを正常な状態に戻していくことがとても重要になります。

では、どのようにしてこの脳内物質のバランスを正常に戻していけばよいのでしょうか?

 

 

パニック障害の治療に使われる薬

パニック障害では、主に2つの種類の薬を使用します。

①セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)

脳内のセロトニンのバランスを改善するのに有効と言われています。

②安定剤

GABAの働きを高めることによって、不安や恐怖感に効果が期待されます。

特に抗不安薬は即効性があるため、頓服として常に持ち歩いていれば安心感を得ることができると考えられています

 

薬を飲むということ

薬を飲むということは、身体にどのような影響を与えるのでしょうか?

パニック障害の時にも処方される「抗不安薬」についてです。

抗不安薬といえば、もちろん「ベンゾジアゼピン薬」です。

これは、脳のベンゾジアゼピンという受容体にお薬が作用することで、脳をリラックスさせるGABAの働きを高め、抗不安作用が働きやすくします。

ベンゾジアゼピン系にお薬は昔からその依存性の高さで知られ、海外では乱用や依存症が大問題になり大規模な訴訟まで起こされています。

 

  • リーゼ
  • デパス
  • レキソタン
  • メイラックス
  • リボトリール

 

結論から言うと抗不安薬とは、脳の働きを抑制し、かえって不安や興奮を生む薬となります。

わたしたち人間は、今まで経験したことがないことや危険な状況になれば、不安を感じます。

このように心配したり、不安を感じるからこそ、危険の原因を考えたりして、それを回避するように行動できます。

睡眠薬や抗不安薬の服用が長期化すると、薬の依存しやすくなります。

減薬すると、体調不良が起こってしまい、ますます薬をやめるのが困難になります。

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