病気による動悸

運動などで身体を動かした後に、心臓の高鳴りを感じたり、人前であがったり、心配事があったりすると、ドキドキと拍動を強く感じたりと、普段の生活の中でも心臓の拍動を意識することがあります。
このようなときに、不快に感じる拍動を動悸といいます。

●胸がドキドキする

●心臓がバクバクする

●口から心臓が飛び出しそうな感覚

これらは、脈が速くなっている場合や、遅くなっているとき、乱れている状態になっていることが強く疑われる状態です。

動悸は、健康な人でも一時的な緊張などで起こるので、そう珍しくない症状です。
実は動悸の多くは心臓病には直接関係がなく心配ないものが多いことも事実です。

しかし、意識が遠のく場合や失神がみられたり、動悸が休みなく続く場合は、危険な動悸と判断します。

また、睡眠中、横になると息苦しくなり、起きると楽になる症状は心不全の疑いがあります。

動悸が起こる病気

  • 貧血

鉄分の不足などが原因で、酸素と結合して酸素を体のすみずみまで運ぶヘモグロビンが減少し、血液中の濃度が薄くなった状態です。

ヘモグロビンの数値が男性は13.0g/dl以下、女性は12.0g/dl以下になると、貧血とされています。

症状として、動悸の他に倦怠感や立ちくらみ、めまい、耳鳴り、頭痛、冷えなどの症状が起こります。

そして、貧血の中で最も多いのが鉄欠乏性貧血です。

これは、身体に必要な鉄分が不足するために起こります。

鉄分の足りない偏った食生活が続いたり、胃潰瘍などの胃腸疾患の出血でも起こります。

鉄欠乏性貧血は圧倒的に女性に多いですが、それには無理なダイエットや、生理が大きく関係しています。

 

  • 甲状腺機能亢進症

甲状腺の働きが過剰になり全身の代謝をコントロールする甲状腺ホルモンの過剰分泌によって、全身のエネルギー代謝が異常に高まる病気です。

20代~30代の女性に多く、10人から20人に1人程度の割合で発症するといわれています。

のどぼとけ下にある甲状腺の腫れ、眼球突出、動悸が主な症状です。

その他にも、手のふるえや息切れ、不眠、生理不順や無月経、発汗、体重減少などの症状もみられます。

 

  • 低血糖症

血糖値の異常な低下によって引き起こされます

動悸、手足の震え、冷や汗の他、空腹感やイライラ感があります。

さらに放置してしまうと、病状は進行し、異常行動や錯乱、けいれん発作に続いて意識を消失し、死に至ることがあります。

また、糖尿病の経口治療薬やインスリンの投与量が多すぎたり、運動や長い空腹状態のときにインスリンが強く効きすぎたりした場合などに多くみられます。

  • 不整脈

心臓は、1日に約10万回収縮と拡張をくり返しています。

それは、1分間に約60~80回の規則的なリズムで拍動を繰り返しています。

このリズムに異常をきたす病態を不整脈といいます。

不整脈は大きく3つに分けることができます。

①拍動のリズムが不規則になるもの
②拍動のリズムが異常に速くなるもの
③拍動のリズムが異常に遅くなるもの

不整脈の中には、脳梗塞を起こすもの、めまいや失神を起こすものや生命の危険にかかわるものもあります。

  • 心不全

収縮と拡張を繰り返しながら全身に血液を送り出すポンプの役割を担う心臓の働きが低下するのが心不全です。
心不全では心臓の細胞の障害があります。
高齢化が進む日本では心不全の患者さんが急速に増加しています。

高血圧の人は注意!

日本人の塩分摂取量は世界でも多いのです。

なぜなら、日本食は塩分が多いためです。

高血圧で動悸や息切れがあり、さらに脚に浮腫みがある場合にはかなりの割合で慢性の心不全が疑われます。

心臓はポンプの働きがあり、それが悪くなることで全身に十分な血液が流れないことで息切れが起きます。

そして、同時に全身の血液が心臓に戻りにくくもなります。

その結果、血流などが静脈内などに停滞した状態が起こり、水分が血管の外にしみ出してむくみとなるのです。

むくみは下肢に起こりやすい症状で、むこうずねの下あたりや足背を指で強く抑えた後、指の跡がくぼんで残るようであればむくんでいると考えられます。

むくみがあるとその分、体重が増加することもあります。

特に短期間で体重が急増するような場合には心臓の動きが悪くなっていることが考えられます。

また、夜間頻尿、夜間高血圧にも心臓の病気が潜んでいる可能性があります。

最後に

身体を動かしたわけでもないのに、心臓がどきどきする、心臓の鼓動を強く感じる、脈が早くなるなどといった、心臓の鼓動を病的と感じるのが動悸です。

動悸がするからといってすぐに心不全や狭心症、心筋梗塞などといった心臓関係の病気と考えるのは早計です。

不安やストレス、睡眠不足などといった日常生活の変化から起こることや、各種の癌や貧血、腎臓の疾患などといった病気で動悸を感じることもあるからです。

動悸を感じた時に大事なことはそれが

・いつ起きたか

・どんな状態の時に起きたか

・どのくらい続いたか

・頻度はどうか

・動悸が起きた時にそれ以外に感じたことはないか

これらのこと、をきちんと意識・記憶しておきましょう。

ページの製作者

阿倍野カイロプラクティック