睡眠のメカニズム

「睡眠」は、私たちが生きていくために欠かすことができない行動です。

人間は、生きていく中で必ずエネルギーを消費します。

このエネルギーは、もちろんですが無限にあるわけではありません。

ですので、生きていく上で酷使されている体力や脳を休ませるために睡眠が必用になります。

そして、昼と夜のリズムが規則的に変化する環境に適応することで生命を維持してきました。

では、眠っている間に私たちの身体でどのようなことが起こっているのでしょうか?

人間が、毎日規則正しい睡眠リズムを繰り返すのは、2つの働きがあります。

①恒常性を維持

=身体の状態を一定に保つため睡眠をとろうとする力

②体内時計

=日中はしっかり覚醒させようとする力

この2つのメカニズムによって成り立っているのです。

睡眠時の身体に起こること

  • 筋肉の緊張を和らげる

睡眠中は、長い時間身体を動かさない状態を保ちます。

そうすることで、筋肉の緊張を積極的に低下させるのです。

  • 体温を下げる

日中に活動するエネルギーを貯めるのに、睡眠時に体温を下げます。

睡眠中に発汗し、耐熱を放出します。

こうすることで、私たちの体温が春夏秋冬どの季節でも維持されるのです。

  • 刺激を遮断する

当然のことですが、睡眠中は身体を休めるため無防備な状態になります。

これは人間だけでなく、全部の動物に言えることです。

あえてですが、外部からの小さな刺激に対しては、脳や身体が反応しない状態を作っています。

「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」

  • レム睡眠

レム睡眠の「REM」 とは、Rapid Eye Movement の頭文字をとったものです。

眼球がキョロキョロと急速に動くという意味で、約10~20分の短い睡眠のことを言います。

夢をみていることが多いとされ、脳が活性化して覚醒に近い状態です。

そしてレム睡眠は、子供の頃には脳を発達させる役割があり、大人になるにつれてその役割は失われてしまいます。

大人になってからは、もう一つの役割である、目覚めを促進させる機能が残ります。

  • ノンレム睡眠

眼球運動を伴わなず、脳も身体もぐっすりと安眠している状態にあります。

大脳を休ませられる時間であるだけでなく、成長ホルモンにより身体の修復などが行われます。

「恒常性維持」の仕組み

まず恒常性とは、「ホメオスタシス」とも言われ、私たちが身体の外から受ける環境や内部の変化に関係なく、体温や血糖そして、免疫を常に一定に保つ働きのことを言います。

恒常性を維持することは、呼吸や循環、排泄、食べ物の摂取などの機能が正常である必要があります。

私たちは起きている間に次第に疲労が蓄積されると睡眠欲求が起こります。

睡眠欲求は目覚めている時間が長いほど強くなりますが、いったん眠りに入ると急速に減少します。

身体の状態を一定に保つため、眠りの質と量は溜まった疲労に合わせて調節されます。

その人が必要とするだけの睡眠をとると、睡眠欲求は消失して、自然に目が覚める仕組みになっています。

徹夜のあとなどに深いノンレム睡眠が多くなるのは、この仕組みのためです。

体内時計の仕組み

もう一つの睡眠のメカニズムに関わる覚醒力は、睡眠と覚醒を調節する働きを持つ体内時計が大きく影響しています。

体内時計から発信される覚醒力は決まった時刻に増大し、その後、就床時刻の1~2時間前頃からメラトニンというホルモンが分泌されると急速に低下して入眠を促します。

これら以外にも様々な生体機能が強調しあいながら質の高い眠りのために作用し、朝方になると覚醒作用を持つ副腎皮質ホルモンの分泌が始まり、健やかな目覚めを迎えることができます。

なお、睡眠を促進する作用を持つメラトニンは、明るい光の下では分泌が停止することがわかっています。

電気を消した部屋で休むことは、メラトニンや副腎皮質ホルモン分泌を妨げないだけでなく、睡眠をサポートする生理機能の面からみても重要です。

 

最後に

現在、不眠症でお困りの方や、もしかしたら不眠症かもしれないという方、この記事をお読みになって気になった方は一度、当院にお問い合わせの上ご相談ください。

ページの製作者

阿倍野カイロプラクティック