責任感が強く最後まで物事を成し遂げ、他人のために尽力するといった価値観が私たちに深く刻み込まれていると言います。
しかし、この考えは人間関係においてストレスの原因になりやすく、酷いときには自律神経失調症の原因にもなってしまいます。
その証拠に、日本人は先進国の中でも「うつ病」や「自殺率」がトップクラスに多いというデータがあります。
すべての原因がこの考え方によるものではないとしても、日本人が古くからもつ「いい人の定義」が悩みやストレスの原因になっていることは多いと考えられます。
人間関係が原因で起こる自律神経失調症を改善するためには、普段の人付き合いを考え、変えていく必要があります。
世の中にはどうしても自分とは相性が悪い人がいて、合わない人とずっと付き合っているとストレスがどんどん蓄積されていくことが多いと思います。
だからこそ、自分の健康を守るためにも避けることが大切です。
ではどうしたらいいのか?
数が多ければ多いほどストレスが溜まるので、まずは付き合う人数を少しずつ減らしていくようにしましょう。
ただ、人間関係を大切にしていきたいと考えていて、なかなか切り離せないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
確かに人間関係は大切ですが、悪いままでは病気を治せなくなってしまうので、ストレスの元である人との時間を減らすことが改善のコツになります。
表面上で仲良くしていれば、自宅に帰ってからのストレス発散で乗り切れますが、悪口や無視が続いている場合のストレスは計り知れない物になります。
放置していると体調が悪くなりますし、さらに症状を悪化させてしまいます。
「いい人」を演じてしまう
自律神経失調症は、毎日受けるストレスが多い人ほど発症しやすいという特徴があります。
ですから、「いい人」はストレスを感じる量が多いのです。
では、人はなぜいい人を演じてしまうのか?
生真面目で自律神経失調症になりやすい人は、「周囲の期待に応えようとする」傾向があります。
こういった性格になる理由として、過去の出来事や幼少期の環境などが考えられ、多いタイプなのが、親から期待をかけられ過ぎた幼少期をもつ人です。
こういう幼少期を送った人は、他人から期待され、そしてそれに応えることで自分の価値と居場所を見出すようになります。
心理学的にはこういったものを承認欲求といい、「人から認められたい」と強く思う欲望のことで、適度であれば行動力の源になるので、ある程度は必要な欲求です。
このように人は、周囲に褒められ、自分の居場所を獲得するため、いい人を演じるようになってしまうのです。
いい人をやめてみる
人間は不完全な生き物ですので、どんな人でも失敗はあるものです。
しかしいい人を演じる人は、その失敗をなかなか許すことができない傾向にあり、大した失敗ではなくても、本人にとっては一大事に感じてしまうのです。
いい人を演じて承認欲求の強い人は、小さな成功にも過剰に喜びを感じますが、反対に失敗をしたときには、周囲の人の理解を超えるような落ち込み方をしてしまいます。
仕事の結果が、その人の人格に関わると思い込んでいるからです。
仮に、もし毎日このような状況が続いていると
- 疲れやすい
- 熟睡ができなくない
- リラックスできなくない
- 便秘、下痢をしやすい
- 免疫力の低下で病気になりやすい
などの弊害が起きやすくなります。
いい人でい続けようとすると失敗を恐れて、いつも緊張感に包まれた状態になってしまします。
この状態は、交感神経が活性化して興奮し、仕事を頑張っているつもりが、逆に集中力を欠いてしまう状態になってしまいます。
しかし、人の性格はなかなか変えられるものではありません。
ですので、まずはかんたんな方法から始め、徐々に変えていきましょう。
それと、今まで他人を優先しすぎてつい過剰に気を遣ってしまうことはありませんでしたか?
よかれと思ってしたことでも、結果としてその人にとってはおせっかいになってしまう可能性があります。
他人に起きているすべてのことに介入する必要はありません。それは相手の課題であり、自分の課題ではないからです。
他者の課題を抱え込んでしまうことは、自らの人生を重く苦しいものにしてしまいます。
まずは、ここから先は自分の課題ではないという境界線を知り、他者の課題は切り捨てましょう。
それが人生の荷物を軽くする人生の第一歩です。
他者の課題を切り離して考えられるようになると、人間関係の悩みやストレスが大幅に減ります。
そして、いい人は承認欲求が強い傾向がありますが、他人に認められなくてもよいと思考を変えるということです。
承認欲求がなくなると、他人に褒められることを期待しなくなり、また失敗を怖れることもなくなります。
こうすることで毎日受けるストレスやプレッシャーが減り、何事にも積極的に行動できるようになります。
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