女性の肋間神経痛

女性は、40歳半ばを過ぎると、いろいろな不調を訴える方が、急激に増えます。
これは、見た目が若々しくて、その年齢に見えないという方でも同じです。

とくに、閉経前後の５年間という更年期の時期には、一見変わりはないようでも、女性の身体の中では、とても大きな変化が起きています。

女性の更年期の時期に表れやすい、肋間神経痛という痛みの症状です。

充実した楽しい生活を過ごすためにも、ご自分の身体の変化を知っておくことが大切です。

女性ホルモンには2つの種類があります。

・エストロゲン=卵胞ホルモン

女性らしさを作るホルモン

・プロゲステロン=黄体ホルモン

妊娠の準備を整えてくれるホルモン

この2つのうち、エストロゲンが骨の破壊の働きを抑えます。

ある程度の年齢になりますと、卵巣の機能の低下とともに、エストロゲンの分泌が低下していきます。個人差はありますが、40歳を過ぎると、徐々に減ってくるようです。

そして閉経時には、30歳代のピーク時の1/4程度しかありません。

これは、月経が始まった頃に分泌されている量と、同じくらいです。

エストロゲンの量は、そのまま骨量に反映されます。エストロゲンが減るのと同じように、骨量も急激に減っていきます。

そして現代では、女性が生涯に経験する月経の回数が増えています。

月経の周期の中に、エストロゲンだけが急激に増えるという時期があります。

月経の回数が多いということは、エストロゲンの影響を強く受ける時間が長いということになります。

このように、エストロゲンにさらされた状態が長ければ長いほど、エストロゲン依存性疾患である、子宮筋腫や子宮頸がん、子宮内膜症、乳がん、乳腺症などになりやすいくなります。

ちなみに、妊娠中は、エストロゲンだけでなく、プロゲステロンも多くなり、エストロゲンの強い影響を和らげています。

生涯で分泌されるエストロゲンの量は、個人差はあまりなく、ティースプーン１杯ほどなのですが、そんなわずかな量の増減で、これほど大きな影響があることに、驚きますね。

もともと女性は、男性とくらべて、全体の骨量が少なくなっています。
そして、閉経により、加齢による老化や骨を守っていたエストロゲンが急激に減ることで、当然骨は弱くなってしまいます。

40歳代後半以降の女性に、骨粗しょう症が多いのはこのためです。

そして、骨粗しょう症の方は、骨がもろくなっている為、ひびが入りやすく、骨折もしやすくなります。

骨粗しょう症は、自分ではほとんど自覚しにくく、骨密度に問題がない場合でも、エストロゲン量が急激に減っている場合は、更年期症状の中で、痛みという症状が起こってくることがあります。

内臓疾患などの病気がない場合で、肋間神経痛がある方は、骨や筋肉、神経のいずれかに問題がある場合が多いです。

そして、それらの問題を解決しない限り、肋間神経痛がおさまることはありません。

つまり、更年期の女性に起こりやすい代表的な神経痛として、肋間神経痛があるのです。

さらに肋間神経痛は、精神的ストレスによっても引き起こされることがわかっています。

ストレスを溜めることで、筋肉の緊張し、カチカチになった筋肉が神経を圧迫するということになります。

更年期の女性は、ご自身の体調や、見た目の変化にも敏感ですので、そういうこともストレスの原因となりがちです。

身体の歪みと、自律神経には、深いかかわりがありますので、日常生活の見直しとともに、姿勢の改善し、ご自分の身体に向き合ってください。

私たちの普段の生活がそのまま体調につながるような大きな影響があります。

しして、骨を強くするには、カルシウムを取るだけでは足りないのでビタミンDを取り入れましょう。

カルシウムとビタミンDは骨を強くします。

ビタミンDが欠乏すると、骨だけでなく、筋肉も弱くなり痛みを感じるようになります。

さらに免疫力も低下し、感染症や癌などに、かかりやすくなります。

このように大切なビタミンDですが、最近では、日本人のほとんどが不足しているといわれています。

わたしたちの体内のビタミンDは、日光浴により紫外線をあびることで、作られるのが効果的ですが、オゾン層の破壊が報じられて以来、紫外線の影響が問題になり、日光浴の必要性などは、あまり言われなくなったためと考えられます。

そして、ビタミンDを多く含む、魚の摂取量も減っています。

一日のほとんどを屋内で過ごす高齢者、美白を気にする年代の女性は、すでにビタミンD欠乏になっている場合もあります。

日光浴が必要といっても、手の平や裏などの一部でよく、1日15分くらいでよく、冬場の場合は、20～30分くらいが必要です。

ビタミンDは、サケやサバ・マグロなどの脂肪性の魚や、キノコなどの食物に比較的多く含まれていますので、ぜひ積極的に摂るようにしてください。