肋間神経痛と脳のしくみ

精神的ストレスや長時間労働、睡眠不足、スマートフォンやパソコンによる過度な光刺激が慢性化すると脳が疲れ、自律神経のコントロールが利かなくなります。

すると痛みを緩和させる脳内麻薬物質も正しく分泌されなくなり、より痛みを強く感じるようになってしまいます。

また、日頃の運動不足や精神的な緊張、呼吸が浅いことなどにより肋骨周囲の筋が緊張し固まっている場合、急にひねったりビックリしたりして力が入ることで余計に締め付けが強くなります。

脳の働き

実は、脳はとても単純なのです。
・朝は必ず痛みが出てしまう
・この動作をすると痛みが増してしまう
・自分の症状は簡単には治らないのではないだろうか

痛みも同様に毎日のように考えていれば、脳が記憶してしまうのです。

すると脳は思い込み、実際にはすでに状態が改善しているにも関わらず自ら痛みを作り出すことすらあるのです。

さらに、人間とは悪いことほどよく覚えているもので、症状のことを考える時間が長ければ長いほど記憶は薄れにくくなります。

痛みの記憶・慢性化

痛みがあると血管が収縮してしまいます。すると、筋肉が緊張することで血液の流れが悪くなり、痛みを引き起こす物質が生じます。
これを痛みの悪循環と呼びます。

この痛みの悪循が続くと、痛みは異常を知らせる有益な存在から不必要な存在になります。

さらに痛みが続くと、有害な存在になります。これが痛みの慢性化です。

痛みの慢性化を引き起こす一つめの原因は、痛みの記憶にあります。

痛みは、体に起こっている異常を知らせる信号であるため、脳は、その痛みを忘れないように記憶するようになります。

痛みの信号は、症状が長引くほど脳に記憶されてしまうので、そうなる前に取り去ることが大切です。

そして、心と身体は、お互いに強く影響し合っています。

そのため、痛みに対して悲観的な感情を持ちすぎると、痛みを強く感じやすく治療効果も低下してしまいます。

自律神経と痛みの関係は?

・求心性神経

身体の部位から脳へ伝わる神経回路

 

・遠心性神経

脳から身体の各部位へ伝わる神経の回路

 

 

ストレスを受けると、自律神経が警戒態勢に入り、リラックスした休息モードの副交感神経優位の状態から、戦闘モードの交感神経優位の状態になります。

そして、以下の3つのことが起こります。

①筋肉の血流と血糖値を上昇させる
②末梢血管を収縮し、血圧を上昇させる
③心臓の働きを活発にし、心拍出量を増加させる

さらに、痛みに対して鈍感になります。これは戦闘状態に全力を注ぐ為、痛み等は後回しになる為です。

 

脳内と交感神経の末端からノルアドレナリンを分泌して細胞に信号を出します。

さらに副腎の髄質からアドレナリンが出ます。

・ノルアドレナリン

⇒神経伝達物質として私たちの思考や意識を活性化する役割

・アドレナリン

⇒体内をめぐって各臓器に興奮系のシグナルを送る役割

 そして心臓の鼓動を高め、血管を収縮して血圧を上昇させることで身体全体を興奮させ、身体を活動的にさせます。このとき消化管の運動は抑えられます。

 その結果、極度に強いストレスや継続的なストレスにより、自律神経のバランスが崩れてしまいます。

 しかし、交感神経緊張が本当に困るのはこの後です。

 ノルアドレナリンは、長期にストレスがかかった状態でそれが解決の目途が見えにくい時や、十分な睡眠時間が取れない場合には、十分に分泌されず、働きが弱くなります。

そうすると、ストレスに過敏に反応し、精神活動も低下してしまいます。

 
そして、ノルアドレナリンの分泌量が少ないと次のことが起こります。

 

  • ストレスに弱くなる
  • 痛みやストレスに過剰に反応
  • 記憶や学習する意欲が低下
  • 無気力、無関心になる

ノルアドレナリンは私達のストレス耐性、注意力や記憶力、学習力などを維持するために必要な神経伝達物質でもあるのです。

 

最後に

肋間神経痛になる原因は、背骨の歪みにあります。

肋間神経は、背骨から出て肋骨と肋骨の間を通って胸の方まで伸びている神経です。

そのため背骨のがゆがみで、肋骨の間の筋肉が硬くなると肋間神経が圧迫されます。

背骨を正常な状態に調整して、背骨や肋骨についている筋肉を柔らかくして、血液の循環をよくしなければなりません。

そして、脳の誤作動がなくなれば、自律神経の働きが正常に戻ります。

すると、これまでの身体の緊張が解けるため、肋間筋や胸、背中の筋肉がリラックスすることで肋間神経の締め付けも緩んで呼吸が楽になったり、痛みも改善していきます。

ページの製作者

阿倍野カイロプラクティック